ストリートビュー

なんだか、Googleストリートビューがプライバシー侵害ではないかという議論が出てきています。

確かに、怖いなぁという意見もあるだろうし、自然です。

しかし、そういった意見の人たちは、これまでもそういったプライバシーの侵害が可能だったということに気がついていなかった、と言う点を見逃しています。これまでだって、他人の家を見ることは可能でしたし、そういったことにノウハウを持っている「探偵」という職業があることを忘れているのでしょう。

ストリートビューは、インターネットの流通革命が実現できることを単純にみんなの前に提示しただけです。Googleという会社をどう思うか、という議論は意味があるとは思えません。たまたまGoogleという会社がその変革期にいただけのことです。Googleと言う会社がなかったとしても、数年の誤差の範囲で同じようなことはできるようになったでしょう。


最大の問題は、Googleが提示した未来のあり方に今の社会が対応できていない、ということでしょう。家の前を全世界に公開されると不安になるということは、家の外観を見られても大丈夫なように工夫をしていなかったということの裏返しです。今の世の中に満足している人は「なんでわざわざそんなコストかけて対応しなきゃいけないの?」って思うのだろうし、そういう人ほど革新的なGoogleの仕事を嫌うのでしょう。

Googleや類似の技術を封じ込めることを考えても意味がありません。むしろ、こういった機能がアングラに潜る前にGoogleという社会的に認知された企業がサービス化してくれたことをありがたく思うべきです。


個人的には、「今日いきなり訪ねてこられても、部屋の中掃除してないよ〜」って慌てるのは分かりますが、「二度とうちに訪ねて来ないでよ!」っていうのは無理なんじゃないの?って思います。

良い、悪いは別として、インターネットという技術の本質はそういうものです。現実社会の情報とインターネットが隔離しているって思うのは間違いですし、上手く融合出来るように社会の仕組みがどうすべきかを真剣に検討しなくてはいけないでしょう。


もしかしたら、それは「これは見られても大丈夫!」って開き直ることなのかもしれません、と本気で思います。以前よりも、若い人が自分の中身をネットで公開することに抵抗がなくなってきているような気がしますし、逆に自分のことを語りたがるようになっているようにも思えます。結局は、手段に合わせて社会が変わっていくんでしょう。