次世代ゲーム市場と心意気

任天堂ソニー次世代ゲーム機に対する考え方の記事を見付けました。

私自身は、任天堂の岩田社長が言うところの「かってビデオゲームで遊んだ経験はあるが、すでに興味を失ってしまった人たち」にさしかかりつつある世代です。

特にRPG
もう、何十時間もRPGに費してずーっとルーチンワークをやったり、あまり高尚でもエンターテイメントでもないストーリーを見つづけたりするには年を取りすぎました。
最近は、(気分的に)適当に始められて適当に終われる、そんなふうに気軽でしかも楽しいものが欲しくなりました。


それでも、昔から任天堂のゲームだけは欠かさずやりつづけています。ゼルダマリオカートなど、いまでもやりこんだりするゲームもあります。
彼らのゲームはまさに「ゲームとしての面白さ」を追求するものが多くあります。その面白さは、自分がプレイして「初めて」分かるようなものです。ただ単に絵が凄いとか、反応がリアルとか、そういった段階では止まりません。素直に感情移入させたり、ちょっと突き放してみたり、爽快なアクションのポイントを作っていたり、ユーザーにストレス無く「楽しい」と思わせるツボをつくことを心がけて作られています。


そんな彼らが作ったDSのゲームはこれまでの任天堂の面白さを残しつつ、それらをうまい具合に「凝縮」することに成功しています。それはちょっとしたチャレンジだったり、ちょっとした癒しだったり、ちょっとした爽快感だったり、とにかく、「ゲーム」というジャンルに対して真摯です。

社長の言葉にもそんなゲームに対する真摯な姿勢が表れていて、ますます任天堂を応援したくなりました。これからも、長いゲームに飽きた私を楽しませてくれることを期待してしまいます。


さて、それに対してソニーのメッセージは明確に「性能」です。彼らは最先端の技術がゲームを面白くすると言います。
本当でしょうか?
もう、性能や機能の数といった、定量化できるものにユーザがなびく時代は終わりました。縮小傾向の国内市場において、これからさらに巨費を投じて高価なゲーム機を投入したとして、これまでのPS2と同じ程度にユーザーがPS3を買ってくれるのでしょうか。
PS3がグラフィックや物理計算の「性能」に勝ったとして、そのリアルな挙動を「爽快感」「楽しさ」につなげる方法を考えている人はいるのでしょうか。
綺麗なグラフィックやリアルな動きは、それが実現していなかった時代には、他には無い「強み」になりました。しかし、そういった性能がある種コモディティ化した現在、それだけを売りにするようでは、先行きに不安を感じずにはいられません。
ソニーの迷走はまだまだ続くのでしょうか。


たかがゲームのことかもしれません。しかし、「たかがゲーム」に全力を尽くして考え抜き、研究できるのはどちらなのか、このメッセージからなんとなく読み取れるような気がします。

#ついでに、XBoxに言及していない理由は... まあ、日本では無かったことにされてますし(汗